レンタカーや中古車のタバコの臭いはオゾン脱臭が効果的
自動車には様々な「ニオイ」が存在します。
新車の時に感じるあの特有のニオイ。その原因は接着剤やウレタン素材、本皮素材から発せられており、使用に伴い次第に薄れていきます。
あの独特のニオイが好きと言う人もいれば、キライと言う人もいます。
新車特有のニオイが薄れてくると、今度は使用者により異なるニオイを発する様になります。
まずはシートに染み付く汗や加齢臭。
次に常に足元で踏みつけられているフロアマット。食べこぼしや雨で濡れたままのフロアマットはニオイの原因菌がびっしり付着しています。
そして最も強烈なものが「タバコ」です。もう何度も繰り返しご説明していますが、タバコの煙(副流煙)には有害物質がたっぷり含まれています。
タバコの先端から出る主流煙に比べ、副流煙の方が有害物質が多く(主流煙1とするとニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍、ホルムアルデヒドに至っては50倍!)、そんな有害な物質が狭い車内に充満するのです。
漂う煙はヤニとしてシートや天井などに付着して体積していきます。そして変色して悪臭を発する様になります。
更にタバコの煙は「カーエアコン」にも悪さをします。
一般的なカーエアコンの構造は、フロンガスを圧縮するコンプレッサー、圧縮されて液化したフロンガスを冷やすコンデンサー、そのコンデンサーを冷やす電動ファンがあって、リキッドタンクで一旦フロンガスをキレイにしてからエクスパンションバルブから吹き出される液化フロンガスが熱交換器のエバポレーターに当たって急激に熱が冷やされ冷風が出ます。
その冷風は大型のファンを介して室内の吹出口から出てくる訳ですが、一度室内に吹き出された冷風は再びファンを介してエバポレーターに向かいます。
その時に室内で漂うホコリ・芳香剤・体臭・タバコ煙などモロモロのモノも吸い込まれる訳です。
その吸い込まれた「異物」がどうなるのか?というと、シートや天井にタバコヤニが堆積するのと同じく、エアコンの内部部品であるブロアファンやエバポレーターに付着してびっちりと体積していきます。
タバコを吸う人の車に乗るとスグにわかる理由は、エアコン部品に汚れが堆積しており、エアコンを作動させると常時室内で「循環」しているからに他なりません。
しかし、今の車は「エアコンフィルター(ポーレンフィルター)」が装着されているので、以前ほど酷いニオイを発する車も少なくなりました。
しかしフィルターが汚れたまま乗っている人だったり、そもそもエアコンフィルターが装着されていない車(昭和・平成最初の古いクルマ、プロボックスなどの営業車)の場合は安易に「車用ファブリーズ(イージークリップ)」や「煙が出る系(スチーム消臭)」なんて使ってしまうと、臭いの上塗りとなってしまい更に酷い臭いになるので要注意!です。
すっかりエアコンの説明で長くなってしまいましたが、これらの臭い(特にタバコ臭)に悩まされている人達がいます。
特に多いのが中古車ディーラーやレンタカー屋さんです。部屋の掃除とは違い、車の場合は部品を簡単に取り外して丸洗いする事が出来ず、色々と制限があり大変です。
そこでこのページでは車内のしつこいタバコ臭を消す方法を手軽なものから大仕事となる内容まで一挙ご紹介します。
車内の臭いをオゾンで脱臭する
タバコの臭いはシートや天井、エアコン内部など車内の隅々まで付着します。
これを全て手作業で全て落とす事はかなり大変だと言う事がお分かり頂けたかと思います。
喫煙ルームの脱臭に高い効果を発揮する「オゾン」は、車内にも有効的です。
近年はガソリンスタンドに「オゾン除菌脱臭機」を設置する所が増えてきており、更に自動車ディーラーやカー用品店などにもオゾン発生器が売られるなど「オゾンは脱臭に効果的」という認知度が高まってきています。
※写真はガソリンスタンド等に設置されているオゾン脱臭機
しかしガソリンスタンドに置かれている装置や、カーショップや通販で売られているグッズを使った程度では十分な効果が得られません。
「商品には十分満足です。それまで使用していたシガーソケットに直接さす小さなタイプよりは、しっかりと聞いていると思います。但し、装着したから全ての臭いが消える訳では無いので、過度の期待はしないほうが良いかと思います。商品としてはとても良いと思いますし、高さが余り無いのがとても良いです。」(槌屋ヤック 車用 マイナスイオン・オゾン発生器 メビウスイオン CD-148 Amazon)
しっかりとした脱臭効果を実感したいのであれば、オゾン濃度が強い業務用の使用がオススメ。
中古車やレンタカーを扱う会社でも、業務用「オゾン発生器」を導入する所が増えてきており、中でも先程からご紹介している「オゾンクラスター1400」と「オースリークリア2」を使っている率が高いです。
どちらも優秀なオゾン発生措置ですが、しつこいニオイの脱臭にはやはりオゾン発生率が圧倒的に高い(1400mg/hr)オゾンクラスターがオススメ。
実際にオゾンクラスターで車内の脱臭した方のレビューをご紹介します。
「福岡市で中古車販売業を営んでおります。最近新規事業としてレンタカー事業部をスタートさせました。外国人の方などにも広く利用して頂く為、全車禁煙車両としていました。しかし中には心無い利用者が禁煙車両内で喫煙をしている事があります。以前はこのタバコのニオイで散々悩んだものですが、今はオゾンクラスターがあるので安心して貸し出す事が出来ます。オゾンの力は本当に凄くて、タバコのニオイが染み付いた車内に30分程オゾンクラスターを作動させておけば、タバコ臭はすっかり消え去っており、残っているのはオゾン臭だけとなります。タバコ臭以外にも香水や体臭、嘔吐物などもニオイもキレイさっぱり消えてしまいます。タバコ臭を消すためにせっかくの予約を断る事もなくなり、業務効率アップに繋がりました」
「高崎市内で中古車販売店をやっています。一部新車も取り扱っていますが、9割が中古車となります。車の仕入れ先は9割がオークションで、残り1割が下取りです。当然、中古車なので程度も様々。シートのヘタリもなければニオイもない使用感が全くない新車みたいな車も稀に出現しますが、基本的には色々なニオイを撒き散らす使用感漂う車ばかりです。基本的にどんなニオイでも消し去る事は大変なんですが、中でも大変なのは「タバコ」です。商品として店頭に並べる前に車内のクリーニングやエアコン洗浄などを行いますが、それでもしつこいニオイは完璧に消す事は出来ませんでした。表面だけキレイにしても、奥の方まで入り込んだニオイの原因菌を消す事は物理的に不可能だからです。時に「タバコのニオイがキツイ」とクレームで戻ってくる事もあり、業務に支障をきたす事もありました。次亜塩素酸水なども使ってみましたが、抜本的な解決に至らず頭を悩ませていた所、ネットでオゾンの存在を知りました。色々と調べた結果、オゾンクラスター1400が短期レンタルに対応してくれるとの事でお試しで使ってみた所、今まで色々やっても消えなかったタバコのニオイがキレイさっぱり消えてびっくりしました。しかもその効果がずっと続くのです更にびっくりしました。今まで行っていた脱臭作業だと酷いものだと数日、平均的に半年程度でニオイがぶり返していましたから。今では販売する車両全てに使っています」
やはり業務用ですとオースクリアよりオゾンクラスター1400の評判が良いですね。
愛車の清掃程度なら簡単な事から手を付けて、最終的に手の施しようがない状態だったら「オゾン脱臭」をオススメします。
常時車を取り扱っている中古車店やレンタカー屋さんなど、脱臭する機会が多い業種の場合、オゾン発生器を導入した方が手間もかからないし、コスト面でも随分節約が出来るハズです。
オゾン脱臭機は病院や給食室、ホテルが導入されているのですが、その効果を知りたい方が下記のページをご覧ください。
オゾン脱臭以外にも車のタバコの臭いの脱臭方法を紹介しておきましょう。
芳香剤の使用
最もお手軽かつ、運が良ければ「良い香り」になるかもしれない?芳香剤の使用です。
これは人間が臭い体臭を消す為に香水が存在するのと同様の考えです。
しかし、この方法、良く考えて使わないと「ヤニ臭」以上に酷い事になってしまうかもしれません。
家庭でも使われている消臭スプレー。中でも最も知名度のある「ファブリーズ」からはエアコン吹出口にワンタッチで装着出来るクリップ型(イージークリップ)の商品が販売されています。
「あれはファブリーズだから芳香剤じゃなくて消臭剤でしょ!」という声が聞こえてきそうですが、実はあれ、消臭剤じゃなくて立派な芳香剤なのです(厳密には消臭芳香剤)。
エアコンを作動させておかないと効果がありませんし、仮にエアコンを作動させていたとしてもその芳香剤の強烈な臭いにノックアウトされる人も多数いる模様です。
口コミ
タバコを吸うので多少は良い臭いかと思いクリップ型(イージークリップ)2個入りを購入したが、まさかこれまで酷い臭いとは思いませんでした。ツンとする臭いで、とても車内には置いておけませんでした。もったいないのでトイレに全開で置いておきましたがここでも嫌な臭いに困り、結局廃棄しました。はっきり言ってタバコの臭いのほうがマシです
引用:ファブリーズ 車用 クリップ型 消臭芳香剤 イージークリップ タバコ用 Amazon
下手に香る芳香剤を購入してしまうとヤニ臭と交わって更に悪臭を放ってしまいます。1人で乗るならまだしも、不特定多数の人を車に乗せる人だったら良く考えてから購入しましょう。
車の脱臭方法 消臭スプレーの使用
先程のファブリーズですが、おなじみのスプレータイプに「車用」が販売されています。
しかし「車用」とは言っても、実際は容器が車内で保管しやすい様にコンパクトになっている以外、内容物に何の違いもありません。
一応、ニオイの原因菌を包み込んで消臭する為、ある一定の効果はある模様。
ですが、狭い空間にぎっしりニオイの原因菌が潜んでいる車内に関しては余り効果はないみたいです。
(口コミ)「無臭のものがなかったのでスカイフリーズを購入しました。ファブリーズと言うことで臭い消しを期待して購入しましたが、ただ単に芳香剤でした。臭いもきつくて気分が悪くなりました。臭いで臭いを消すのではなく無臭タイプが出るのを期待します」(ファブリーズ 除菌消臭スプレー 車用 除菌プラス 210mL Amazon)
芳香剤と同じく、良い香りでヤニ臭を消すタイプのモノだと、更に酷い香りになってしまう事も!効果はあるとは言ってもあくまでも「一時的」な為、芳香剤も消臭スプレーもその場しのぎで使う以外、長期的な使用は避けたほうが良さそうです。
雑巾で拭く
タバコのヤニはシーツや天井、更にガラスの内側にも付着します。
それらを拭き取りだけでも効果を実感出来るハズです。
ポイントは「家庭用食器洗い洗剤」を使う点。
普通に水拭きでも十分効果を実感する事が出来ますが(特に本革シート)、水では落ちない汚れが残ってしまいます。
食器用洗剤を使って拭き取る事によって、中に含まれている「界面活性剤」が汚れを浮かせてキレイにしてくれます。
お掃除の方法はこちら。
(準備する道具)バケツ×2 タオル×3
(洗浄液の作り方)バケツに約1リットル程の水を入れ、そこに食器用洗剤50cc程入れて混ぜます
(準備)もう1つのバケツには普通に水を入れておきます。掃除がしやすいように車内の荷物を下ろしておきます。
(掃除の流れ)1枚のタオルに洗浄液を浸して硬く絞ります→もう1枚のタオルは普通に水を張ったバケツにひたして濡らし、硬く絞ります→洗浄液を浸したタオルで拭き取ります→スグに硬く絞った水雑巾で拭き取ります→中途半端に水気が残っていると、それがカビの原因となって異臭を撒き散らす為、乾拭きタオルで拭き取り完了。
拭き取りが終わったらドアを開け放ってしばらく換気してあげましょう(湿度の高い日は避けて下さい)。
お掃除のポイントですが、車内の上部から下部へと進めていく事が重要なんです。その理由として汚れが少ない所から汚れが酷い所の順番で進める事で、同じタオルを使って拭き取った汚れが他に広がらないからです。
順番ですが、
天井→シート(1脚ずつ行う事)→ダッシュボード&ハンドル→運転席と助手席間のコンソールボックス周り→ドア内張り(各ドア1つずつ行う事)→フロアカーペット(フロアマットの下)→内ガラス(リアガラス→左右ガラス→フロントガラスの順番)
で進める事をおすすめします。
エアコンフィルターの交換
室内の異物を取り除くエアコンフィルターにヤニが付着したまま使っていると、いつまで経ってもタバコ臭は消えません。
一般的なエアコンフィルターの交換時期は「1年&1万キロ走行毎」です。
定期的な交換をする事で、クリーンな車内を保つ事が出来ます。
交換は一般の人でも出来ますが、車種によってコツがあるので、自動車ディーラーやオートバックスなどのカー用品店に依頼しましょう(費用はだいたい5,000円〜10,000円程度)。
フロアマットを洗う
筆者が若い頃(20年以上前)には車を「土禁」仕様にしている人も多く見かけましたが、最近ではそんな人も少なくなってきました。
外を歩いていると色々なモノを踏んだであろう靴。
当然そのままの状態で車に乗り込むと汚れがマットに付着するでしょうし、飲食する人なら食べこぼし、タバコを吸う人ならヤニ臭なども付着してしまうでしょう。
そんな過酷な状況で頑張っているフロアマットをキレイに洗浄するだけで、イヤなニオイも幾分かはマシになるはずです。
最も簡単な方法は、ガソリンスタンドとかに置かれている「マット洗浄機」の使用です。
高圧の水を使ってマットの汚れを洗い流してくれます。
軽微な汚れであればその方法でも十分キレイになりますが、注意したいのはそのままの状態で車内に置かない事。
水をたっぷりと含んだフロアマットをそのまま車内に持ち込むと、カビが発生して更なる異臭の原因となってしまいます。
出来る事なら天日干ししてしっかり乾燥させる事が重要です。
汚れやニオイが酷い場合は、中性洗剤をブラシで泡立ててしっかり洗った後、高圧洗浄機などでキレイに洗い流してしっかり乾燥させて下さい。
シート丸洗い
雑巾で拭き取りよりも更に効果がある「シート丸洗い」。
とは言っても個人で丸洗いするのはかなりのスキルを要する為、一般的にシートの丸洗いは専門の業者にお願いする事になります。
専用のケミカルを吹き付けブラッシング、汚れが浮き出た所でバキュームで吸い取ります。
シートが車内に「装着」された状態で座面のみ洗浄だと大体1脚5,000円程度(プリウスクラスの場合)です。
汚れ・ニオイが酷い場合はシートを脱着して行う本格的な方法もありますが、この場合は脱着工賃が上乗せされてしまう為かなり高額となってしまいます(大体1脚2万円程度)。
丸洗いを行うとなると全てのシートを洗う事になる為、5,000円×2=10,000円+リアシート15,000円前後=合計25,000円程かかってきます。
当然効果はありますが、タバコを吸っている人は再びヤニが付着してしまう為、数ヶ月後には施工前の状態に戻ってしまうのでしょう(汗)
カーエアコン洗浄剤を使う
最近のカーエアコンには「イオン発生装置」が装着されている車種が多くなってきており、車内の除菌や殺菌、更に消臭にも効果があるとされています。
普通に使用している分であれば、エアコンを作動させておけば脱臭効果が見込める事になりますが、その分エアコンにかかる負担は半端ではありません。
一応、エアコンフィルターである程度の汚れはキャッチされていますが、フィルター装着されていない昭和や平成初期の古いクルマ、そして外車だとエアコン内部にびっしり汚れが付着しているはずです。
一般的に「車内が臭い」と言われている車は、エアコン内部をキレイに洗浄すれば見違える程の効果を実感出来るハズです。
しかしその効果を実感出来る人はごく一握りの人だけ。
そこまで少ない理由は単純にコストが高いからです。
エバポレーターにアクセスするには、運転席前に広がるダッシュボードやハンドルなど全てを外さなければならず、それら工賃だけでも6〜80,000円!(ナビ付きの場合)。
更にエアコンの配管を外す為、エアコンガスも必要となり、工賃にプラス2〜3,000円程が必要となります。
それじゃ余りにも高すぎる!と言う方には「エバポレータークリーナー」を使う手があります。
DENSO(デンソー)や日産系のピットワークから手軽に使えるスプレー缶として販売されていますが、内容的には家庭用エアコンを洗浄する「エアコン洗浄スプレー」と同じになります。
1本あたり2〜3,000円と分解に比べてリーズナブルで、施工時間も1時間程度と短時間で終わります。
方法はアルミフィンに吹き付けて付着した汚れを「溶かして出す」感じです。
ただし、家庭用エアコンとは違ってエバポレーターまでは簡単にアクセス出来ないので、ある程度メカに自信がある人じゃないと難しいかもしれません。
メカに自信の無い人は、自動車ディーラーやオートバックスなどで工賃込みで15,000円前後で行ってくれます。
ただし、このスプレーを使っての洗浄方法、最初は素晴らしい効果を発揮しますが、色々な部分にこびりついた汚れを完全に除去する事は難しく、場合によっては施工からわずか1ヶ月程で匂ってくる事もあるそうです。
口コミを見てみると
「流し込む商品なので結果は観られないのですが、ドレンから出てきた汚れた液体と、作業するきっかけだった埃臭さが無くなったので、効果はあったと思います。一回で4台分(2本)やりましたが、まだ汚れが取りきれて無いみたいです。もっと強力なモノがあれば…」(ZAC カーエアコン洗浄 スーパーJETMAX モノタロウ)
本気でニオイを取りたいなら「完全分解」をオススメします(予算がある人に限られますが)。
次亜塩素酸水を使う
家庭でも大活躍!?の次亜塩素酸水ですが、当然車内でも使えます。
オートバックスからも専用の商品(AQ.悪臭の元を除去する除菌・消臭スプレー)を販売されています。
しかし軽微な臭いならまだしも、内部に浸透した臭いの除去までは厳しい模様。
イエローハットでは同じ塩素系の「クレベリン消臭」を3,500円程で行っていますが、実際に効果を実感出来るのはどれも軽微なニオイばかりで、強烈なタバコ臭には効果ないそうです。